ワイヤレス最高の音質。耳が幸せになるヘッドフォン。
今回はゼンハイザーから発売されているワイヤレスヘッドフォン『MOMENTUM 3(MOMENTUM Wireless)』を紹介、レビューしていこうと思う。
私はすでに同じくゼンハイザーのワイヤレスイヤホン「MOMENTUM True Wireless 2」を使用しているが、このイヤホンはカナル式(耳の穴に押し込む方式)のため、毎日長時間使用していると意外と耳が疲れる。
そのため、オーバーヘッド方式のヘッドフォンと交代で使えば耳も痛くならないのではと考え、少々高価だがいつか手に入れたいと思っていたのでこの機会に購入してしまった。
結論:最高の音質と装着感 → 耳が幸せ
『MOMENTUM 3』は
- 音質
- 装着感
にすべてを振り切った性能、使用感だ。
「一度聴いたら、もう戻れない」が本製品のキャッチコピーだが、まさにその通り。
丁寧に重ねられた音は、ワイヤレスとは思えない美しい音を生み出し、その音質は他のワイヤレスヘッドフォンを圧倒する。
さらにイヤーパッドは厚く柔らかいので耳をやさしく包み込み、長時間の使用が可能。
非常に心地よいサウンドと優れた使用感は、他のヘッドフォンでは味わえない心地よさ。
まさに耳が幸せになるヘッドフォンといって過言ではないと思う。
また、デザイン性も高く、高級感あふれ、所有感を満たしてくれるのもいいところだ。
製品としてほぼ完ぺきな一方で、
- 携帯性
- 価格
は犠牲となった。
イヤーパッドが厚いため、折りたたんでもSONYやBOSEのヘッドフォンほど小さくならず携帯性は低い。
また、価格も45,000~50,000円程度と、かなりの高級な部類。
まさにゼンハイザーのヘッドフォンがこれまで体現してきた「音が良ければすべてよし」という理念をカタチにした、ゼンハイザーらしいヘッドフォンだ。
こんな方におすすめ
- ワイヤレスで高音質な音楽を楽しみたい
- 映画など、迫力のある音を楽しみたい
- 音楽は低音だけでなくバランスが大切
- 煩わしいケーブルから解放されたい
- ワイヤレスイヤホンで耳が痛くなった
製品仕様
『MOMENTUM 3』の製品仕様は以下の通り。
製品仕様 | |
Bluetooth バージョン | Bluetooth 5.0 |
コーデック | SBC、AAC、aptX、 aptX-LL |
オーディオ入力 | Bluetooth, ステレオミニプラグ, USB-C |
USB規格 | USB-C |
動作時間 | 17時間 |
重量 | 311g(実機測定) |
ノイズキャンセリング機能 | 3種 最大、風切り音防止、側圧防止 |
イコライザー機能 | アプリ対応(ゼンハイザー Smart Control) |
ファームウェアアップデート | アプリ対応(ゼンハイザー Smart Control) |
製品保証 | 2年 |
気になるポイント
まずはこの『MOMENTUM 3』について気になることをお伝えしようと思う。
『MOMENTUM 3』は素晴らしいヘッドフォンだと心の底から感じているが、2点、「価格」と「サイズ」について若干のマイナスポイントがある
価格:高い
『MOMENTUM 3』はかなり高価なヘッドフォンだ。
販売開始後から値段も下がることなく、4万~5万円という価格に変化はない。
子どものランドセルが1つ購入できる金額、或いは一か月分の食費をヘッドフォン購入に充てようと考える人の方が少ないかもしれない。
サイズ:折りたためるが少し大きく、重い
『MOMENTUM 3』は少し大きく、重い。
重量は311gとソニーの「WH-1000XM4」の251gと比べて重めの部類。
また、イヤーパッドはその上質で柔らかな触り心地と引き換えに、かなりの厚さになっている。
収納時も折りたたむことはできるが、厚みがあるため携帯性が高いとは言えないだろう。
それでも、ワイヤレスヘッドフォン最高レベルの音質とかけ心地をこの金額さえ払えば手に入れられることを考えれば、高くない?のかもしれない。
おすすめポイント
ここからは『MOMENTUM 3』の良いと感じたポイントを紹介していく。
突き詰められた高音質
ゼンハイザーのヘッドフォン・イヤホンに言えることはとにかく「高音質」だということ。
私がゼンハイザー製品を買い続けてしまうのは、この「高音質」が忘れられないから。
- 息遣い、ギターの弦の一本一本のしなりが分かるような伸びのある高音。
- 非常に深いところから表現される、強すぎない低音。
- それらをボリュームたっぷりに、バランスよく支える中音。
Bluetoothによるワイヤレス接続にもかかわらず、ここまで音楽を表現できるようになったことに感動を覚えるレベルの完成度。
惚れぼれするようなサウンドが両耳を包み込む。
最近のヘッドフォンにはノイズキャンセリングの機能や、低音の強さを競う機器が多い。
雑誌や紹介記事でもそういった商品がピックアップされ人気になっていると感じる。
だが、それらはあくまで「機能の一部」に過ぎず、わき目も振らず「ヘッドフォンは音質は音質で勝負」という姿勢が垣間見える。
ゼンハイザーの設計思想の中に「音質へのこだわり」が深く深く根を張っており、それを表現したのがこの『MOMENTUM 3』だ。
向上したノイズキャンセリング機能
『MOMENTUM 3』には3つのノイズキャンセリング機能が搭載されている。
ノイズキャンセリングの3モード
- 最大
- 風切り音の防止
- 側圧防止
これらのモードは専用のアプリでモードの選択ができる。
「1.最大」モードが最もノイズキャンセリング機能を発揮する。
電車内の「ゴー」という低音はかなりのレベルで低下させられるし、カフェなどではほぼ外音をゼロ(無音)にできるので、静かな環境で好きな音楽を聴きながら作業することができる。
特に最近はバスや電車などは換気のため窓を開けたまま走行することが多いため、走行音や風切り音が多くなった。
おかげで「2.風切り音の防止」モードの重要性が増したように感じる。
側圧防止モードは耳にやさしい
ただ、私はもともとノイズキャンセリング動作中特有の「キーン」となる感じがあまり得意ではないため、主に「③側圧防止」モードを使用している。
(この「キーン音」が嫌でSONYのヘッドフォン「WH-1000XM3」等のノイズキャンセリングが強めなヘッドフォンを使用できなかった。)
「③側圧防止」モードは「キーン」とした音をほとんど感じず、ようやく自分に合うノイズキャンセリングヘッドフォンに出会えたと感じた。
機能としても外が猛烈にうるさくない限り、側圧防止モードで必要十分。
さらに2段階の余力を残している点が大変頼もしい。
ちなみに、他社製品で気になる「ノイズキャンセリング機能使用中の音質低下」はほとんど感じない。
音ズレしない!低遅延コーデック「aptX-LL」対応
『MOMENTUM 3』は低遅延Bluetoothコーデック「aptX-LL」に対応。
Bluetooth接続機能を持つイヤホン、ヘッドフォンを動画で使用するときに最も重要なのは「音ズレ」しないこと。
口の動きと声がずれてしまうと、何とも言えない違和感によって映像に集中できなくなってしまう。
『MOMENTUM 3』は最も音声遅延の少ない「aptX-LL」という接続方式が使用可能で、スマホやテレビがこの方式に対応していると、映画やドラマなどを「音ズレ」なく楽しむことができるようになる。
『MOMENTUM 3』を使用すれば映画や動画を、
- テレビの大画面で、
- ヘッドフォンによる迫力と奥行きのあるサウンドを
- 「音ズレ」なく
思い切り楽しむことができる。
テレビで映画、動画を楽しむならBluetoothトランスミッターがオススメ
私の家のテレビはBluetoothに対応していないため、同じく「aptX-LL」対応のトランスミッター「ゼンハイザー:BT T100」を使用して、テレビをBluetooth化している。
夜に映画を楽しみたいときや、テレワーク中に子どものテレビ音が気になるご家庭は下記の生地を参考にテレビのBluetooth化をすることも可能。
我が家では「テレビの視聴」と「家の静けさ」を両立することで、親子ともども幸せになれた。
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外音取り込みは意外と便利
『MOMENTUM 3』には外音を取り込みながら音楽再生ができる「トランスペアレント ヒアリング」という機能が搭載されている。
そのため、好きな音楽やBGMを流しながら作業をしていても必要なお知らせやアナウンス、電話の呼び出し音を聞きもらしにくい。
よく使うシチュエーション
- テレワーク中の電話やテレビ通話の着信音
- 電車内やホームでアナウンス
- 空港の出発ロビーのアナウンス
※歩いているときや買い物のレジでは危険だったり、レジの方がいい気分がしないかもしれないのでヘッドフォンは外すようにしている。
この機能があるとテレワーク中に音楽を聴いていても着信音に気づきやすく取りのがしがない。
(スピーカーで音を流していると家族に迷惑。さらには電話のたびにスピーカーの音を止めるのも手間。)
テレワーク用のヘッドセットとして使える
最近は自宅でテレワークすることが多くなったため、電話やビデオ通話の機会が増えた。
『MOMENTUM 3』は電話やビデオ通話用のヘッドセットとして使用することができる。
マイク性能もよく、PCに向かって話すよりもかなりクリアに聞こえている(と会社の同僚が言っていた)。
もちろん、私にも直接音声が耳元に届けられるのでとても聞き取りやすい。
スライダー方式のイコライザー搭載
イヤホンタイプの「MOMENTUM True Wireless」シリーズではイコライザーはゼンハイザー特有のモノ(上記写真のモノ)しか選べなかったが、『MOMENTUM 3』ではスライダー式のイコライザーが搭載された。
もちろんもともとのイコライザーでも特に問題はなかったが、選択肢が増えるのはとても良いことだ。
私は、ポインター(白いまる)を少し上に動かして高音を少し、低温をほんの少し上げボーカルを強めにするセッティングが好み。
その他機能
『MOMENTUM 3』のその他の機能は以下の通り。
イヤーカップボタンでほとんどの操作が可能
右側のヘッドフォンに備え付けの物理ボタンでほとんどの操作をすることができる。
上から順に、
- ノイズキャンセリングOFF
- ノイズキャンセリングON
- トランスペアレントヒアリング(外音取り込みON/OFF)
- 音量 ↑
- 音楽再生/停止 or 電話をとる
- 音量 ↓
- 設定したボイスアシスタント(AlexaやGoogle HOME)起動 or Bluetooth機器ペアリング(5秒長押し)
と、様々な機能をスマホやリモコンを通さず使用可能。
USB-Cによる有線接続と充電が可能
『MOMENTUM 3』は搭載されたUSB-Cにより「有線」で音楽を聴けるようになっている。
せっかくワイヤレスヘッドフォンを買ったのに有線接続するのも無粋かもしれないが、プレーヤーやアンプまで接続するならば有線は必須。
個人的にはワイヤレスの機動力、手軽さを優先するがさらに音にこだわりたい方に「選択肢がある」というのはとてもいいことだ。
消費者に使用方法を押し付けるのではなく、選べるようにするという懐の深さもゼンハイザーの良さだろう。
また、同じくUSB-Cから充電もできる。
最近はスマホやPCもUSB-C接続のため充電器や電源スペースを共有できるのは大変ありがたい。
まとめ
今回はゼンハイザーより発売されているワイヤレスヘッドフォン『MOMENTUM 3』のレビューをしてきた。
ヘッドフォンの特筆すべき点は「音質の高さ」。
ほぼすべての音域が美しく表現され、中でも高音の伸びと広がりは感動を覚える。
5年前、ようやく常用に足るワイヤレスヘッドフォンが出始めたころ、ここまでの製品が出来上がるとは想像もしていなかった。
ケーブルから解放され、自由に音楽が楽しめる。しかもこれだけいい音で。
ノイズキャンセリングなど機械性能を追い求める製品が多い中で、音質向上をひたすらに突き詰めていくゼンハイザーの姿勢とこだわりに、ただ感嘆のため息が出るだけだ。
今回のレビューで『MOMENTUM 3』が気になった方は、ぜひお近くの電気屋さんで存分に試聴してみてほしい。
このヘッドフォンのすばらしさをぜひ多くの方と共感できればと思っています。