重厚感たっぷり、堅牢なプロユース3色マルチペン
最近は仕事でもパソコンに触れることが多く、めっきり紙に文字を書く機会が減った気がします。
意識しないと文字を書かない日もしばしば。
そのため、ペンやノート等の筆記用具は「自分が使いたくて仕方がない」と思うものを使って、文字を書く機会を意識的に増やしています。
紹介するのは「ロットリング600 3in1」
前回投稿した「カヴェコ ペンシルスペシャル」に続いて、今回もいつも使っているペンを紹介。
紹介するのは『ロットリング600 3in1』。
こちらは赤・黒ボールペンとシャープペンを備えた多機能マルチペン。
2020年3月発売の新製品。
ロットリングもカヴェコ同様、ドイツで作られたボールペン。
カヴェコがドイツ中央西部のハイデルベルクで製造されていたのに対して、ロットリングは北部の港湾都市ハンブルク産。
ロットリングは1928年から万年筆製造をしていて、特に製図用ペン販売メーカーとして名を馳せ世界中の設計士たちに愛されてきました。
その過程で生まれたのが、現代でも愛されるプロユースに耐える堅牢なペンたちです。
特徴的な「六角形軸」がロットリングの代名詞。
六角軸は製図台に置いたときに転がりにく、当時の設計士さんたちに愛用されたそう。
現在も600シリーズ、800シリーズなど人気のモデルがこの六角軸でラインナップされています。
今回紹介するマルチペンタイプはベルリンの壁崩壊の前年、1988年頃に発売。
もともと丸みを帯びたボールペンだったが、のちにロットリング600シリーズのデザインと融合。
特徴的な6角形の軸を持つ「3カラーのマルチペン」となり、現在でも高い人気を誇ります。
赤と黒の重厚なボディ
購入時は黒と赤のコントラストが映える紙製のケースに入っています。
ケース内側の箱を引き出すと、中には一本のペン。
光を全く反射しない黒の焼付塗装に、赤く「rOtring 600 3in1」の文字が。
黒の外箱と赤の内箱がロットリングのテーマカラーとなっていて格好いいんです。
ノック部付近にある赤いリングがロットリングの由来「Roter Ring(レッドリング、赤い輪)」を表現。
この赤い輪はロットリング製品のどこかに必ず使用されていて、万年筆やボールペン、シャープペンどれにも見つけることができます。
歴史と、誇りを感じられるデザイン。
特徴1:ドイツ製品らしい重厚感
手に持つとずっしりとした重量感。
- カヴェコ ペンシルスペシャル : 14g
- ロットリング600 3in1 : 32g
と倍近い重量が手にグッとかかって、何とも言えない満足感。
重量+マットな黒の焼き付け塗装 → 強烈な重厚感・存在感
文房具店で出会った時から、この見た目と雰囲気にすっかり虜になっていました。
無骨で、強くて、シンプルで、洗練されたたたずまいは、ドイツ工業デザインらしさ全開。
ついつい飾って眺めていたくなる。
文房具店で触れる機会があれば、ぜひ一度手に取ってみてください。
特徴2:トップクラスの堅牢性
頑丈な本体に、丈夫な塗装。はハードに使っても全く傷ついたりしません。
ロットリングは製図用文房具メーカーなので、プロユースに耐えられるような堅牢なつくり。
特に、製図台など高いところから落としてもペンが壊れないよう非常に頑丈にできています。
そのため、軸など本体のほとんどの部分に真鍮やアルミなどの金属部品が多用されています。
私ももう何年も使用していますが、本体にゆがみや軋みは一切なし。
これまで触れてきたペンの中で、特に機構が複雑になりがちなマルチペンの中でトップクラスに頑丈です。
(どんなに強く折り曲げても、曲がったりゆがんだりしない。)
特徴3:がたつきの少ない、安定感ある書き味
「ロットリング600 3in1」は、がたつきが無く安定した書き味を楽しめます。
多色マルチペンの欠点はパーツが多くがたつきが多くなること。
多くの場合文字を書いていると「カチャカチャ」と部品がきしみ、筆記に集中できないことも多いので私は敬遠しがちでした。
「ロットリング600 3in1」は素材のほぼすべてが真鍮やアルミなどの金属製。
パーツ一つ一つがしっかりとかみ合い非常に安定感が高い。
また、ペン重さが手の微細な振動も吸収してくれるのもいいところ。
ペン先にガイドパイプはないものの、安定感の高さから製図用としても使用可能。
マルチペンの欠点であるがたつきを「金属素材」と「重さ」で解決する、とても優秀なペンなんです。
「ロットリング600 3in1」の構成パーツ
『ロットリング600 3in1』を構成するパーツは以下の4種類。
構成パーツ
- 軸(本体)
- ノックノブ一体型のペン切替機構
- ペン機構部(シャープペン・ボールペン赤・黒)
- クリップ
① 軸(本体)
軸は完全に一つのパーツからできています。
先端部の口金などは外れず、さらに軸も分厚い。
パーツ自体を一つにまとめることで、がたつきなどは一切発生しないつくりになっています。
先端付近はギザギザのローレット加工となっており、指のかかりがよく持ちやすい仕上がり。
加工精度もとても高く、寄りで見るとちょっとした工芸品に見えてきます。
ノックノブ一体型のペン切替機構
ここは一番驚いたポイント。
普通であれば先端の口金を回してシャープペンの芯を補充したりインクを交換したりするが、ロットリングはノックノブ付近を引っ張って本体と分離する方式。
初めての時はこれに気づかず、何回もペン先を回そうとしていました。
実際使っていると、片手でカラー変更ができるため、よく考えられた機構なのだと妙に納得してしまいました。
リフィルの交換方法
カラーのリフィルの交換は、初めてだと少し分かりにくいで注意が必要です。
上述の通り、通常のマルチペンの場合は先端の口金(キャップ)を回して交換するが、「ロットリング600 3in1」は全くの逆。
交換手順は下記の通り。
軸とノックノブの根元をつかんで右側に引っ張ると、
するっとノブ部分が右側にスライドします。
もう少し引っ張ると、スポット抜けてカラーの切替機構が見えてきます。
リフィル交換する場合は交換したいインクを繰り出して、ちょっと力を入れて引っ張ると、
すぽん。
あとは準備していたリフィルと交換するだけ。
ちなみに、シャープペンも同様に引っ張って本体部を引き抜き、芯を補充することができます。
(初めてインクやシャープペン機構部を引き抜くときは、とっても硬いので力強く引き抜こう。)
リフィル互換品について
ボールペンを使っていて気になるのは、互換リフィルの有無。
純正品を使用できれば良いのだが、『ロットリング600 3in1』のリフィルは国内でほとんど手に入らない。
そのため、互換品の使用が必要となってくる。
(一緒にランニングコストも抑えられるので大変ありがたいんです。)
ちなみこのペンのリフィルは「4C」規格のため、ジェットストリームのインクリフィルを互換品として使用可能。
特に「ジェットストリームプライム」は書き味が滑らかなで、重量感あるこのペンと相性抜群。
私も、青や緑を使いたいときにはこちらのリフィルを使用しています。
ペン機構部(シャープペン・ボールペン赤・黒)
ペン機構部はくるくる回る「回転繰り出し式」。
シャープペン部が一つとボールペン部が2つあります。
初期は赤と黒のリフィルがセットされているが、互換インクを使用すれば自分好みのカラーペンに代えることも可能。
このように自分好みのペンカラーを複数持ち歩けるのがマルチペンのうれしいところ。
クリップ
クリップは本体と同じ黒色焼付塗装となっている。
ロットリングのロゴがエンボス加工されており、控えめではあるがしっかりと主張しているところが素敵だ。
クリップ部分がプラスチックや樹脂製のペンも多いが、ロットリングのクリップは金属製。
おかげで、多少分厚い洋服やズボンに引っ掛けても壊れたりしません。
ペンは土屋鞄のロールペンケースで持ち運び
最近はテレワークの関係で「会社↔自宅」間で文房具を持ち歩くことが多くなりました。
普段のもち運びはこの土屋鞄のロールペンケースを使っています。
ポケットが5つついていて、いつも使っている筆記用具を淹れられるのがうれしいところ。
革も牛本革「トーンオイルヌメ」を使用しているため、非常にやさしいさらさらとした手触りがすてきなおススメのペンケースです。
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一緒に使っているノートもドイツ製の『ロイヒトトゥルム1917』。
万年筆やボールペンのインクが裏抜けしない、しっかりとした紙質のノート。
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プレゼントにもピッタリ
『ロットリング600 3in1』はプレゼントにもピッタリだ。
文房具は仕事でもプライベートでもどちらでもよく使うし、5,000円近いペンはそうそう自分で購入する機会もない。
化粧箱も付いており、重厚感・高級感あふれるこのペンなら、渡す側ももらう側もどちらも笑顔になれること間違いなしだ。
まとめ
今回はマルチペン『ロットリング600 3in1』の紹介してきました。
もともと私自身、マルチペンは単色のボールペンの安定感や書き味には及ばないと考えていました。
でも、この「ロットリング600 3in1」は単色ペンと同等かそれ以上の安定感があり、使っていとても楽しいペン。
加えて、マルチペンはとても便利だ。
単色ペンと違い、マルチペンなら手元でカラー変更が手元で簡単にでき、持ち替える手間が不要。
私のように、いろんなペンカラーを使う方に大変おすすめのペンだ。
- 書き味もよく、多機能で便利。
- その代わりちょっと太くて重い。
重厚さと洗練されたデザインの中に、マルチペンとして必要な機能をしっかり詰め込んだこのペンを、これからも大切に使っていきたいと思う。
カヴェコに続き、やっぱりドイツのペンはおすすめです。