美しい色合いと質感。長く大切に使える本革ランドセル。
子どもが小学生になりおよそ一年、いろいろあった一年生が終わりに近づきまた新たな成長を迎えるシーズン。
あんなに重そうにしていたランドセルを、軽く打持ち上げて背中にしょっている姿を見ると、自分も一つ年を取ったとしみじみ。
我が家のランドセルは土屋鞄製造所の本革ランドセル。
入学の1年前に通称「ラン活」をして、たくさんの店舗を回り最終的に子供が選んだのモノ。
今回はこの土屋鞄製造所のランドセルの紹介をしていこうと思う。
結論:土屋鞄製作所のランドセルを選んでよかった
結論から申し上げて、私は土屋鞄製造所のランドセルを購入して本当に良かったと思っている。
理由は、
- 見た目がよい
- 品質・耐久性が高い
- アフターサポート(6年間無料保証)対応が良い
という3点。
いわゆる「工房系メーカー」と言われる土屋鞄製造所で作られるランドセルはハンドメイドで高品質。
見た目もよく、本革やヌメ革を使用した本格的な革製品としてのランドセルもあり、職人の技術が随所に生かされている製品だ。
特に良いのは「安心」を与えるアフターサポート
ランドセルは、とにかく傷がついたり型くずれしやすい。
耐久性の高い本革ランドセルでも大きな傷をつけたり、肩紐がちぎれてしまうようなこともある。
そのため、ランドセルには「6年間無料保証」メーカーが多く、土屋鞄製造所ももちろん対応。
我が家でもランドセルに不調が出てしまい、実際に修理対応をお願いしたことがある。
「断られたらどうしよう」など、非常にドキドキしながら修理依頼の電話をかけたが、不調内容を確認後、非常に快く対応していただいた。
(以前、家電でアフターサービス内容自体が良くても、対応が悪く嫌な思いをした経験があったので、保証による修理交換は毎回緊張しています。)
この素敵なアフターサポートのおかげで、
「このランドセルなら安心して6年間使っていける」
と感じ、土屋鞄製造所のランドセルを選んでよかったと心の底から思った。
購入してよかったと思ったポイントまとめ
今回のレビューでは、実際に土屋鞄製造所のランドセル一年間使用してきて、購入してよかったと思ったポイントを紹介していこうと思う。
良かったポイントは全部で5つ。
- 色味・金具が美しい
- 「直して使う」という経験ができること。
- 無料修理保証対応が素晴らしかった。
- サイズがちょうどいい。
- 子どもが「このランドセルが好き」と言ってくれた。
以上のポイントを、順を追って紹介していこうと思う。
ポイント1 色・金具がともに美しい
土屋鞄製造所のランドセルを選んでよかったと思うポイントの一つ目は、
色味・金具が美しい
ということ。
購入したのは本革ランドセルの「ディープブルー」カラー。
少しくすんだ深い青色に、真鍮色の金具が映える大人っぽいカラーリング。
この本体のカラーと金具・ステッチのコントラストがとても美しく、ショールームで初めて実物を見た時、目が釘付けになって離れなかった。
美しい色
本革の風合いがとても大人っぽい仕上がりのランドセル。
キズを目立ちにくくした皮の表面加工のおかげで、光が乱反射するのでマットに鈍く光るのも好印象。
最初は黒が欲しいといっていた子どもも、十店舗に足を運んでみたところ様々なカラーバリエーションがあり、色が決まるまでかなりの時間を要した。
親としても「こういうランドセルを持ってほしいなぁ」というポイントにしっかり突き刺さるデザインだった。
真鍮カラーの金具
このランドセルに使われている金具はすべて真鍮カラー。
一般的な銀色のタイプもあったが、革の深い青と真鍮カラーの金具が非常にマッチしている。
金具のカタチや仕上げにもこだわりが見え、「ちょっとみんなと違うタイプのランドセルが欲しいな」という遊び心にも対応してくれているのがうれしい。
ゴールドのステッチ
金具の真鍮カラーに合わせ、ステッチも淡いゴールドカラー。
細部までしっかりと縫われ、角の花びらのような縫い合わせに技術の高さを感じさせる。
ちなみに土屋鞄製造所のランドセルは1年使っても一か所のほつれもない。
しっかり頑丈に作られていることがよくわかる。
長く愛せる色がコンセプト
土屋鞄製造所のランドセルは、
長く愛せる色
がコンセプト。
そのため、革・金具・ステッチのすべてにおいて美しいカラーで仕上げられている。
1年生のころはランドセルの方が少し大人っぽく、学年が上がるにつれて、子どもの成長がランドセルに追いついてくるイメージ。
革製品なので使っていくうちに風合いも深まり、思い出いっぱいのランドセルになっていくのが楽しみだ。
ポイント2 「直して使うもの」という経験ができること。
ランドセル購入時に悩むのが、
本革 or クラリーノ(合皮)
どちらの素材で作られたランドセルを購入するかだ。
それぞれの素材からくるランドセルの違いは以下の通り。
本革 | クラリーノ | |
価格 | 6~10万円 | 4~7万円 |
重さ | 1.4kg | 1.2kg |
見た目 | 本革素材による鈍い光沢、高級感 | カラーバリエーション豊富で、好みに合わせやすい |
手触り | さらさら | ツルツル |
型くずれへの耐久性 | 〇 | 型くずれしやすい |
キズへの耐久性 | 〇 | 〇 |
水への耐久性 | △ | 〇 |
メンテナンス | ・月に一回かたく絞ったタオルで水拭き、ブラッシング。
・雨の季節は防水スプレー ・年に一回、汚れ落としクリームとオイル塗布。 |
・かたく絞ったタオルで水拭き。
・撥水性が高いのでメンテナンスはほぼ不要。 |
こう見ると、クラリーノはほぼメンテナンスいらずだが、本革のランドセルは少し手がかかる。
今回我が家では、少し手のかかる本革のランドセルを購入したが、結果的にはとても良かったと感じている。
理由は、
「モノは直して使う」という経験ができること
だ。
ランドセルは「モノを直してつかう」を学べる教材
ランドセルは、どうしても傷ついたり型くずれしがちだ。
- 本革ランドセルはキズに強い。
- また剛性が高く、そう簡単に型くずれしない。
と言われるがそれでも日々の通学、遊びの中で傷をつけられ、砂まみれにされ、雨の日は濡れて帰ってくる。
(上の写真みたいに、少し表面がけズレたりはがれてきたりもする。)
汚れがひどくなってきたとき、我が家では子どもたちと一緒にランドセルのお手入れをしている。
ランドセルのお手入れ
汚れ → 雑巾でさっと水拭き。
傷 → オイルの塗り込みや、こすって傷をなじませる。
水濡れ → 防水スプレーをかけてみる。
このようにランドセルを通してモノを大切にしたり、きれいに保つポイントを小さなころから体験できる。
「壊れたら捨てる、誰かが直してくれる」ではなく、「自分で直して使うこと」を気づかせてくれる。
我が家でランドセルは、子どもたちがモノと向き合う素晴らしい教材だ。
ポイント3 修理、交換対応が素晴らしかった。
土屋鞄製造所の無料修理交換対応はとても素晴らしかった。
ランドセルは6年間無料保証をうたうメーカーがほとんどだが
- 実際に保証をうまく使えるのか
- 適用除外にならないか
など、使用するまでに不安に感じることが多い。
以前ランドセルのかぶせ部分の修理交換を行ってもらったことがあるので、その時の流れや感想を紹介していこうと思う。
修理依頼から完了までの流れ
実際に窓口に電話をし、手元に修理完了したランドセルが戻ってくるまでの流れは以下の通り。
修理依頼から完了までの流れ
- 電話で故障部位の連絡。
- その場で故障箇所の確認と修理方法を教えてくれる。(有償 or 無償もここでわかる)
- 修理・交換方法に納得できればそのまま修理依頼。
- 修理中の代替ランドセル手配と、修理予定ランドセル引き取り日時の連絡が来る。
- 日時指定をし、代替ランドセル到着を待つ。
- 代替ランドセルが届くと同時に、修理予定ランドセルを宅配会社のドライバーさんに渡す。
- 修理予定ランドセルが土屋鞄製造所に届いたタイミングで、「どこを修理、交換するか」の連絡が来る。
- 3~4週間後、「修理完了」の電話連絡が来るので配送希望日を伝える。
- 指定日時に、修理に出していたランドセルが戻ってくる。
という流れだった。
よかったポイント① 電話連絡だけで交換依頼、発送ができる
土屋鞄製作所のランドセルは、
電話連絡1つで修理の手配をしてくれる
点がとてもうれしい。
他社製のランドセルの場合、「販売店へ持ち込み→販売店が代替品手配」となる。
ランドセルの場合、即売会や遠くの店舗まで実物を見に行って購入することが多いため、販売店まで気軽に行けない場合が多い。
電話一本で修理手配ができるのは、共働きの我が家としは本当にありがたかった。
よかったポイント② 窓口対応がとても好印象
初めての修理依頼ということで少しドキドキしながらの電話連絡だったが、電話口の担当の方も非常に丁寧な対応で一安心。
しっかりとランドセルの状態や今後の流れを伝えてくれたので、こちらも不安なく修理依頼を完了出来た。
製品が魅力的 + 窓口での対応が好印象
というのも土屋鞄製作所でランドセルを買ってよかったと思えるポイントだ。
よかったポイント③ 完璧な修理
戻ってきたランドセルは、完璧な状態だった。
今回は背中の「かぶせ」の部分の交換修理だったが、帰ってきた製品はピカピカの新品同様。
交換箇所はもちろんのことステッチ部分も何の違和感もない、新品のような仕上がり。
工房系ランドセルの利点が、「修理」というポイントでいかんなく発揮されている。
サイズがちょうどいい
土屋鞄製造所のランドセルの容量・サイズ感はちょうどいいと感じている。
以下が、普段の授業で持ち歩く教科書の量とそれらを入れた時の写真だ。
普段の通学セット
- 教科書×3冊
- ノート×3冊
- ドリル×2冊
- 学校用連絡帳×1冊
- 学童用連絡帳×1冊
- 筆箱
- 水筒
5時間授業の時は大体このような量になる。
「合計10冊の本+α」が入っているが、まだ余裕がある。
ランドセルの大きすぎない方が良いと思う
土屋鞄のランドセルは容量が小さいという話を聞くが、1年使ってみた感想としてはこれで十分。
必要な教科書や文房具、水筒も中に入る。
逆にこれ以上大きくても、モノが入りすぎて重くなりすぎ背負うのが大変になる。
それなら、普段使いの手さげを「肩掛けできる大きめの手さげ」にして荷物を分散させてあげればO.K.。
図書室から借りてきた本や、絵具道具の持ち運びにも十分対応可能だ。
ポイント5 子どもが「このランドセルが好き」と言ってくれた。
今回、ランドセルを選ぶにあたっては「ラン活」を行い、たくさんのメーカーさんのランドセルを見てきた。
カラーバリエーションの豊富な商品から、おしゃれなステッチ、魅力的な付属品などたくさんのランドセルに出会ったが、最終的に子供が指を差したのは土屋鞄製造所のランドセルだった。
「本人が使いたいと思うランドセルが一番」ということで、我が家ではランドセル最終決定は本人にお任せ。
最初のころは「おもーい」と言ってランドセルもすっかり身体になじんだ様子。
「ランドセルどんな感じ?」と聞くと「かっこいいよね。特にここの金ピカ(金具)が。」といって自分のランドセルがいかに素晴らしいかを説明してくれる。
どんなにいいランドセルだったとしても気に入らないものを子どもは使ってくれない。
結果的には、子ども自身が「好きだと思えるランドセル」を選ぶのが一番なのかなと思う。
今回は、選ばれたランドセルが、親自身も「これ選んでくれないかなぁ」と思っていたランドセルと一緒だったのは幸せなことだ。
(カラーは違ったけど、全く問題ナシ!)
気になったポイント
色々とランドセルを比較する中で、土屋鞄製造所のランドセルに対して気になっていたポイントがいくつかあった。
それら気になっていたポイントがどのようにして解消されたかについて紹介していこうと思う。
①持ち手がない → 最新製品で持ち手が付いた!
ランドセル関連の口コミなどを見ていると、
「ランドセルに持ち手があると持ち運びが簡単」
というコメントをよく見ていた。
確かに実際使ってみると、親がランドセルを片付けたり持ち運びするときに、この持ち手があると重心が安定して持ちやすい。
もともと土屋鞄製造所のランドセルには持ち手がなかったが、お客様の声、時代を反映して持ち手が付いたデザインに変更。
こういったお客様の声と時代を反映してより良い製品づくりを続けている姿が素敵だなと思う。
持ち手はあってもいいが、なくてもかまわないと思う
では、持ち手がないモデルは使いにくいかといえばそうではない。
なぜかといえば、
「持ち手」はあくまで「親がランドセルを運ぶとき」に便利なモノ
と言えるからだ。
そもそも、子どもの力では片手でランドセルを運ぶのは難しい。
基本、肩にかけて運ぶので、持ち手の有無がランドセルの使用感にそこまで大きな影響はない。
(「あったら便利かな」というくらい)
我が家ではランドセルの管理や片付けはすべて子ども自身が行なっているが、持ち手のないランドセルでも特に問題ないようだ。
(私自身、片付けは子どもが行ない、親は片付けしやすい環境づくりをした方がいいかなと考えているため。)
持ち手が無くてもランドセルを片づけやすい仕組みづくり
ランドセルや教科書を片付けるスペースはリビングに配置。
子ども部屋もまだ必要ない年齢なので、
- すぐに学校の準備ができて
- 家から帰ってきてすぐに片づけられる
リビングが一番使い勝手が良い。
リビング用のオープンボックスはウォールナット集成材でDIY。
2段目が子どもたちの身長にちょうどよく、ランドセルや教科書、絵具セットなどがすっぽり収まる。
子どもたちだけで準備・片付けがしやすい仕組みができたので個人的にはかなりお気に入り。
②重さ → 実は、ランドセル本体の重さはあまり気にしなくていい!
つぎに気になったのはランドセルの「重さ」。
ランドセルが重いと「子どもの姿勢が崩れるのでは」と心配している親御さんも多いと思う(私もその一人でした)。
私も、購入時点では「少しでも軽いものを!」と思ってランドセル探しを頑張った記憶がある。
ちなみに我が家の土屋鞄製造所の本革ランドセルの重さ(実測)は「1396g」。
計量モデルや人工皮革のランドセルと比較するとすこし重い方だ。
(「セイバン:スゴ軽 990g」、「土屋鞄 クラリーノエフ 1180g」と比べて数百グラム重い)
ただ、良く調べていくと、
- ランドセルが重いことのデメリット・メリット
- ランドセルが重くなる原因
が少しずつ分かってきた。
ランドセルが重いことのデメリット、メリット
ランドセルの重さにはデメリット・メリットそれぞれあることに気が付いた。
重いランドセルのデメリット
- 体への負担がかかる
- 小さな子どもだと背負いにくい
これに関しては、新1年生の親の多くが一度は気にする部分だろう。
軽いランドセルならば身体の負担にならず、毎日の登下校が楽になり、学校に行くことが苦にならない可能性が高い。
では、重いランドセルの登下校は大変で身体に負担をかけるだろうか。
A:1年生の2学期には重さは気にならなくなる
子どもたちの成長や慣れは思った以上に早く、1学期の初めには重そうにしていた登校風景も、夏を過ぎたころには走って登校するようになった。
本人曰く、「ランドセルの重さはあまり気にならない。」とのことだった。
逆に重いランドセルのメリットは以下の通り。
重いランドセルのメリット
- 安定感がある
- 耐久性が高い
これはまさに、本記事でも紹介してきた本革性のランドセルを使ってよかったと感じたポイントそのもの。
軽さにだけ着目して作られたランドセルは、素材が弱く、芯材が薄かったりして耐久性が低く型くずれしやすい。
また、押したりつぶされてる力に弱いと、雨や雪の日の転倒や交通事故への対応力が低くなる。
重めのランドセル=長く使える・安心して使える
ランドセルを1年使って、改めて、このようなメリットがあることに気づかされた。
ランドセルが重い原因 = 「持ち物の多さ」
実際子どもが1年間ランドセルを背負う姿を見て感じたのは、
持ち物が多い日はランドセルが重そう
ということだ。
小学校で使用する教科書類は意外と重い。
小学生の持ち物の重さ
教科書:約200g/1冊
ドリル:約150g/1冊
ノート:約95g/1冊
連絡帳:約95g/1冊
水筒(1L用):約1,500g/1本
これに加えて、筆箱、防犯ブザー、連絡用携帯電話などを持たせると、1日5時間の授業だけで最低3,500gは越えてしまう。
こうなると、普段のランドセルの重さは、
- 本革ランドセルの場合 1,400g+3,500g=4,900g
- 軽量ランドセル(スゴ軽)の場合 990g+3,500=4,490g
1と2の差 410g(約9%)の違い
程度となり、それほど大きな差とは感じなくなる。
我が家の場合は、
ランドセル:重め → 安定性と耐久性重視
持ち物 :軽め → 筆箱やファイルなどを可能な限り軽量化
して、機能性を高めつつも、重さに配慮するようにしている。
が、それを無視できるほどカラーの教科書や、持ち物が多い。
もはやランドセルの重さはほとんど考えなくてもよいのかもしれないと最近思うようになってきた。
そう考えると土屋鞄製造所の本革ランドセルにはデメリットはほぼないといえるだろう。
まとめ
今回は土屋鞄製造所の本革ランドセルを一年間使ってみてのレビューをしてきた。
1年間使用してきて思うのは、とても頑丈で高品質なランドセルだということ。
毎日床で引きずったり、棚に投げ込んだりしても大きな傷もなくや型くずれもしない。
梅雨時期や夏を越えてきたが、水がしみ込んだり革がよれたりということもない。
見た目もよく、使う本人だけでなく買った親としてもとても満足できる製品。
気になるアフターサポートもしっかりしており、安心して購入に踏み切ることもできる。
高品質で安心して6年間使える、土屋鞄製造所のランドセルに出会えて本当に良かったと思っています。