テーブルの仕上げ、「オイル仕上げ」と「ウレタン仕上げ」の違いについて
この一年、ダイニングテーブルやPCデスクをDIYしてきた。
テーブルのDIYはモノさえそろえれば意外と簡単な部類なので、DIYを始めようとする方にもとてもオススメ。
その中で、テーブルDIY中で最も気を使い、最後まで迷ってしまったのが「天板の仕上げ方法」。
テーブルの姿や使い心地、その後のメンテナンスに大きな影響を与える工程なので、とにかくどの仕上げでテーブルを完成させようか悩むポイントだ。
今回はテーブル(デスク)を購入したりDIYのお悩みポイントである、「天板の仕上げ方法」について解説していきたいと思います。
天板の仕上げ方法は「オイル仕上げ」と「ウレタン仕上げ」の二つ
まず、「仕上げ」というのは木材の塗装方法のこと。
テーブルの場合は天板や足などを塗装して仕上げるが、その仕上げ方法には、
- オイル仕上げ
- ウレタン仕上げ
の2種類がある。
それぞれの仕上げの特徴
オイル仕上げ :木本来の質感を感じる。汚れやキズに弱い。
ウレタン仕上げ:皮膜をつくるので木の質感は感じにくい。汚れやキズに強い。
それぞれの仕上げ方法は、一概にどちらが優れているということはなく、自分が作ったテーブルの
- 使用環境
- ライフスタイル
に合わせて好きな仕上げ方法を選ぶのがおすすめだ。
DIYで一番悩んだのは「どちらの仕上げを選ぶか」
実際私が、テーブルやデスクのDIYなどで最も悩んだのが
テーブル天板の仕上げ方法
だった。
DIYをする前は「天板の木材」でものすごく悩んだが、結局一番悩んだのがこの仕上げの方法。
テーブルが出来上がったあと、
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このテーブルとどのように付き合っていこうか
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という一点を決めるのにかなり時間をかけたと思う。
以前制作したPCデスクのDIY工程はこちら。
-
【DIY設計図あり】ウォールナット天板とアイアン脚のおしゃれなPCデスクを自作する方法と必要なモノまとめ
続きを見る
結局私の場合はは蜜蝋ワックスによる「オイル仕上げ」を選ぶことになったが、まずは、それぞれの仕上げ方法の違いや特徴を一覧にしてまとめてておこうと思う。
オイル仕上げ、ウレタン塗装仕上げの違いを解説
それではここからは「オイル仕上げ」と「ウレタン仕上げ」の違いを解説。
(1)「オイル仕上げ」と「ウレタンニス仕上げ」の特徴まとめ
2つの仕上げ方法にはそれぞれ下記のような特徴がある。
オイル仕上げ | ウレタンニス仕上げ | |
使うもの | ・植物性オイル
・塗装用オイル ・蜜蝋ワックスなど |
・ウレタンニス |
見た目 | 艶消し、マット | 光沢、ピカピカ |
手触り | 木そのもの、さらさら | コーティング、ツルツル |
木の質感 | 感じる | 感じにくい |
耐キズ性能 | 〇
・木そのものに傷がつく。 ・キズ自体は目立ちにくく、メンテナンスでなおせる。 |
△
・ウレタン塗装に傷がつく。 ・白くなるため傷が目立ちやすい。 |
耐熱性能 | △
・木そのものが焦げる |
〇
・ウレタン塗装が白く変色し、木もやや焦げる |
耐水性能 | △
・水シミや着色しやすい |
◎
・水をはじく |
メンテナンスの必要性 | あり
・定期的に蜜蝋ワックスを塗る(年に2~3回) |
なし |
修理・修繕 | 簡単、安い
・キズやシミをサンドペーパーで削る。 ・上から蜜蝋ワックスを塗る。 |
難しく、高い
・部分修繕ができないため、ウレタン塗装をすべて剥がして再塗装 ・工場への配送や工賃が数万円単位でかかる。 |
二つの仕上げ方法を比べてみると、
- オイル仕上げ:木の質感を楽しむ。メンテナンスに手間はかかるが、簡単・安価。
- ウレタンニス仕上げ:メンテナンスフリーでお手入れの手間なし。だが、修理は高価。
というような違いがある。
(2)「オイル仕上げ」のメリット・デメリット
オイル仕上げはテーブル天板に植物油や蜜蝋ワックスなど、
自然由来の油分を塗り込む塗装方法
のこと。
木そのものの風合いを生かした家具になるため、「無垢材」を使った高級テーブルや家具などに多く用いられる印象だ。
私もDIYしたテーブル、デスクはすべて蜜蝋ワックス仕上げているが、これも「オイル仕上げ」に分類される。
オイル仕上げのいいところは、
木の質感を楽しめる
ことだ。
無垢材(天然の木)に植物性のオイルを塗るだけなので、触った感じも木そのもの。
オイル仕上げのメリット
- 木そのものの手触りを楽しめる(膜で覆われていないため)。
- 木の木目がを生かしたダイナミックなテーブルにできる。
- 木本来の色をそのまま楽しめる。
- 化学物質を使わないので、赤ちゃんが使っても安心。
- 水シミや汚れ、キズは自宅でメンテナンスできる。
- 使っているうちにできるキズや汚れが、家族の思い出になる。
オイル仕上げのデメリット
- 乾燥に弱いため、反ったり割れたりする可能性がある。
- 水シミや汚れ、キズがつきやすい(特に水に弱い)。
キズや汚れへのメンテナンスが必要
オイル仕上げは、無垢材(天然の木)に植物性のオイルを塗るだけなので、水シミや汚れ、キズが付きやすい。
子どもの食べこぼしや、鉛筆・ペンでの落書きは日常茶飯事なので、ある程度気にしない胆力も必要。
さらに、やすりがけやオイル塗布など定期的なメンテナンスが必要になるため、適度に手間をかけてあげる必要がある。
実際のメンテナンスの方法はこちらを参考にしてみてください。
-
【DIY】誰でもカンタン!テーブルの「蜜蝋ワックス仕上げ」に必要なモノと方法を紹介
続きを見る
日常的なケアやメンテナンスが気がかりな方は「ウレタン仕上げ」のテーブルを検討してみてもよいと思う。
一番のメリット:オイル仕上げのテーブルは「人を惹きつける」
ただその代わり、「オイル仕上げ」にはメンテナンスの手間を忘れてしまえるほどのメリットもある。
無垢材(天然の木)の質感、手触り、木目のダイナミックさを楽しめるテーブル
に仕上げることができるということだ。
オイル仕上げした天板は木そのものの風合いを直接肌に感じられ、ぬくもりにあふれている。
おかげで、何の気なしにテーブルを触ったり、テーブルを使っていろいろな作業したくなってしまう。
我が家でも食事や、仕事、子どもとの勉強、テレワークなど様々な用途でみんながダイニングテーブルを使うように。
まさに、
家族みんなが集まる場所
になったことがとてもうれしかった。
「オイル仕上げ」最大のメリットは、
人を惹きつける、魅力あるテーブル
を家に迎え入れるということだつくづくと思う。
「汚れ、キズはみんなでなおす」のがおすすめ
お子様がいるご家庭の場合、食べこぼしや落書き汚れが心配になるはず。
まさにその通りで、我が家でも子どもたちがびっくりするほどテーブルを汚してくれた。
なかなかきれいに食事を食べてくれないことに最初悩んだりもしたが、ある一つのことをしたところ、食べこぼしや汚れがびっくりするほど減った。
テーブルの汚れが減った理由
テーブルのメンテナンスを家族みんなでする
我が家では、テーブルの席替えを2か月に一回くらい行っているがその際、必ず自分が使っていたテーブルエリアの汚れを「紙やすりできれいにしてから」次の人に席を譲ることにしている。
子どもたちによれば
- テーブルを汚して使うと、やすりがけが大変
- 次の人にきれいなテーブルを使ってもらいたい
という2点に気がついたようで、それからは食べこぼしが少し減り、ペンでの落書きなどはほとんどなくなった。
テーブル汚れへの心配もほとんどなくなり、さらに子どもたちも「モノの大切さ」や「次の人への気づかい」など気づいてくれた。
改めて「オイル仕上げ」のテーブルにしてよかったと思っている。
(3)ウレタン仕上げのメリット・デメリット
ウレタン仕上げは、
ウレタンニスなどで天板をコーティングする塗装方法
のこと。
「ウレタンニス」を刷毛で伸ばして、天板表面をしっかりコーティングするため汚れに強く、無垢材から突板など様々なテーブルや家具で使用される仕上げ方法だ。
「オイル仕上げ」との一番の違いは、
一度塗装すれば、その後ずっとメンテナンスいらず
なことだろう。
ウレタン仕上げのメリット
- 水シミや汚れがつきにくい
- 特に水濡れに強い
- 長期にわたりメンテナンス不要
- コーティングされるため割れや反りが発生しにくい
ウレタン仕上げのデメリット
- 無垢材を使っても木の質感を感じられない(ウレタンの膜にコーティングされてしまうため)
- 「オイル仕上げ」に比べて高価なものが多い
- 化学物質を含む
- 経年劣化により表面のウレタン塗装がはがれてくる
- はがれてきても自宅でメンテナンスできない(再塗装は工場へ送る必要がある)
一番のメリット:「メンテナンスいらず」で使い続けられる
「ウレタン仕上げ」はとにかく水や汚れに強い。
撥水性の膜で天板を覆うので、水や汚れはほぼすべてはじかれ木材まで届かない。
そのため、オイル仕上げのように汚れにおびえたり紙やすりで削ったりする手間などが無く、「メンテナンスいらず」だ。
小さなお子様がいらっしゃるご家庭などには、「ウレタン仕上げ」の汚れ防止性能がとても役に立つ。
木の質感は無くなる
ただ一方で、天板の木の質感は感じられなくなる。
「ウレタン仕上げ」は木の表面にしっかりと防水の膜を張るため、天板に直接触れることはできない。
基本的に手に触れるのはツルツルの皮膜のみ。
ウレタンニスを薄く塗ってわずかに手触りを残すことも可能だが、はがれやすいこと、施工が難しいことからDIYでは現実的ではない。
購入する場合も薄いウレタン仕上げを選べない場合も多く、選べたとしてもオーダー家具となり高価なことには注意が必要。
修理は難しい
また、「ウレタン仕上げ」のテーブルは修理が難しい。
10~20年ほど使用すると、どれだけ上手にコーティングされたウレタン被膜でも剥がれや汚れが目立つようになる。
ウレタン塗装は市のままでは補修できず、一度すべての塗装をはがす必要があるため「工場へ配送して補修」または「職人を自宅に呼んで補修」が必要になる。
どちらもかなり高価な作業で、テーブルがもう一台購入できるほど(10万円前後)の費用が掛かることが多い。
「ウレタン仕上げ」の最大のメリットでもある「メンテナンスいらず」は、長く使う上では実はデメリットにもなってしまうことにも注意しよう。
まとめ
今回は、テーブルDIYや家具購入時に気になる「オイル仕上げ」と「ウレタン仕上げ」の違いについて紹介してきた。
どちらの仕上げ方にも一長一短があり、一概にどちらが優れているとは言えない。
仕上げ方法は、自身のテーブルとの付き合い方を検討したうえで決めるのが吉だ。
無垢材の天板を使ったテーブルの購入やDIYを検討している方には、個人的には「オイル仕上げ」をおすすめしたいと思っている。
やはり天然の木そのものの質感を生かしたテーブルには、人を惹きつける魅力がある。
ダイニングテーブルを「家族の集まる場所にしたい」とお考えの方は、「オイル仕上げ」の無垢材の天板でテーブルのを作ってみるのもおすすめです。